室蘭市が手話条例制定に向け準備、2月に議会提案
室蘭市は、手話言語条例(仮称)の制定に向けた準備を進めている。2月に開会する第1回市議会定例会に条例案を提出、承認を得て4月1日に施行したい意向だ。施行に伴い市民周知のリーフレットを作成し、手話への理解促進に取り組む。
条例制定に向け昨年8月、室蘭聴力障害者協会や市内の手話サークル、市社会福祉協議会など関係団体による同条例の検討委員会を設置。11月までに4回の委員会を開催した。道内他市町の条例を参考に、聴覚障害者のみならず健常者も理解できるよう、親しみやすい条例の名称も検討した。
検討委がまとめた条例案は、前文と八つの条文で構成。手話を言語と認め、自由に使える社会の実現に取り組む必要性を、前文に据えた。条文には目的や基本理念、市の責務と市民の役割、施策の推進方針などを明記した。
検討委の会長を務めた市社協の堀敏雄事務局長は「シンプルな言葉で分かりやすい内容。手話に関わる人たちが考えや意見を交わせたことも成果」と評価。社会全体で認識を共有し「手話が使いやすく、自然に受け入れられる環境づくりが大事」と市民に条例を浸透させる施策展開に期待する。
聴力障害者協会の主催で毎年3月に開催している「市民手話を知る会」では、市町村で全国初の手話条例を施行した石狩市の関係者を招いた講演会を計画している。
(菅原啓)
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