長野知事ら懸命に手話学ぶ 県部局長会議で初のミニ講座

 「ありがとう」「こんにちは」…。4日の県庁での県部局長会議で「ミニ手話講座」が開かれ、阿部守一知事はじめ県幹部が手話を使ったあいさつの仕方などを学んだ。手話を初めて体験する幹部も多く、ぎこちない手つきながら講師役の障がい者支援課職員の動きに目を凝らし、懸命に手話を習得していた。

 ミニ手話講座は、3月に制定・施行された県手話言語条例を受けて初めて開催された。同条例は、手話が言語であることを県民が理解し、コミュニケーションの手段として広く周知させることが狙い。ろうあ者の社会的障壁を取り除く県の責務を明確にうたう条例では、普及に向けた施策の推進や市町村との連携、財政上の措置などについても盛り込まれている。

 約10分間行われた講座で県幹部たちは、人差し指を立てた両手を向かい合わせてお辞儀をするようなしぐさのあいさつの基本形を使い、「おはようございます」「初めまして」など12の手話を身につけていた。

 障害者の大会などで手話であいさつをするという阿部知事は「日常的に手話を使っていないとなかなか難しい。県職員が率先することで広く手話が使われるようにしたい」と述べた。

 県は今年度、残り6回開く定例の部局長会議でミニ手話講座を開き、数字や業務上必要な表現などを学んでいくという。