手話条例、7月から施行 嬉野市で可決

 嬉野市の6月定例議会は最終日の20日、「市心の架け橋手話言語条例」案を全会一致で可決した。7月1日施行する。手話言語条例の制定は全国5番目、九州では初めて。

 市役所塩田庁舎には、県聴覚障害者協会の会員約20人が傍聴に訪れ、手を取り合って喜んだ。条例制定を祝う横断幕を掲げ、国際手話で「アイ・ラブ・ユー」を意味する親指、人さし指、小指を立てたポーズで記念撮影をする静かなセレモニーもあった。

 同協会の中村稔理事長は「全員賛成の可決に感激した。今までは、話しかけたのに無視されるなどの誤解を生んできたが、今後、肩を軽くたたいてもらうなど、聴覚障害者への理解が深まっていけばうれしい」と期待する。谷口太一郎市長は「嬉野市の生活の中に手話が根付くよう努力する。手話教室の拡大や、難聴者のための政策に力を入れ、来年度の予算に組み入れたい」と語った。

 条例は、手話を言語と認め理解と普及を図ることを基本理念とし、手話を使いやすい環境整備や、手話を必要とする人の自立した日常生活と社会参加に向けた取り組みを、市の責務と定めた。