群馬県手話言語条例が可決 県聴覚障害者連盟理事長「忘れられぬ日」

 耳の不自由な人が暮らしやすい地域社会の実現を目指す「県手話言語条例案」が12日の県議会本会議で全会一致で可決された。都道府県では全国3例目。県聴覚障害者連盟(前橋市)の早川健一理事長は閉会後に記者会見し、手話通訳者を通じ、「大変な喜びを感じている。本当に忘れられない日になった」と思いを語った。(浜田慎太郎)


 聴覚障害者の全国組織の全日本ろうあ連盟(本部・東京都新宿区)は、昭和22年に伊香保温泉で発足しており、本県と手話の関わりは深い。会見に同席した同連盟の久松三二常任理事は手話で「連盟が生まれた群馬で条例が採択されたことに深い感銘を受けている。非常にうれしい」と喜びを表現した。

 条例は4月1日施行で、県が手話の普及のために取り組むべきことや、聴覚障害のある子供たちのための教育環境の整備などを掲げた。同様の条例は都道府県では、鳥取、神奈川に次いで3県目となる。

 一方、平成27年第1回定例県議会は12日、7159億6600万円の同年度一般会計当初予算案など113議案を可決し閉会した。この日が任期満了前の最後の本会議ということもあり、各議員は4月3日告示、12日投開票の県議選に向け一斉に走り始めた。

 閉会後、須藤昭男議長が議場であいさつし、「震災復興とともに歩んだと言っても過言ではない」と4年間の議員任期を振り返った。最後は「県議選に立候補される議員には、再びこの場でお会いできることを心から祈念する」と述べ、締めくくった。