手話言語意見書、芳賀町議会全国最後に採択 傍聴の関係者、決意新た

 手話の普及に向け県聴覚障害者協会から出されていた「手話言語法(仮称)の制定を求める意見書」を国に提出する議員発議が、3日開会した芳賀町議会で全会一致で採択され、全国の地方議会での採択率は100%となった。同町議会はこれまで、同意見書に関する陳情を不採択などとしてきた経緯があり、「原案通り可決」が決まった瞬間、傍聴席を埋めた27人の聴覚障害者らは「拍手」を意味する手話を用いて静かに喜びを分かち合った。

 耳の日でもある3月3日。「国民の総意」への最後のハードルとなった同町議会を傍聴した長谷川芳弘(はせがわよしひろ)全日本ろうあ連盟副理事長は「現在のところ国は法整備に消極的だが、それを動かすには全国すべての議会の賛同が必要だと考えていた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 同協会の陳情が同町議会に最初に提出された2014年9月定例会では、「聴覚障害者に特化した法律は、障害者対策のバランスを欠く可能性を含む」などとして教育民生常任委員会で不採択。2度目の同12月定例会は「議論済み」として議長預かりに。県内では同12月までに、他の24市町議会と県議会で採択された。